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「7人の孫」・・・映画今昔物語2

私「たそがれ映児」には「7人の孫」がいる。ということは映画マニアの老人である、ということ。そしてなんとも貧弱な発想のもじりである。
そう、黒沢明監督作品「7人の侍」は文句なしに面白かった。

「三四郎」「酔いどれ天使」「生きる」「羅生門」「悪い奴ほどよく眠る」「天国と地獄」「夢」「影武者」・・・黒沢作品は、ほとんど全部,観た。
1951年、「羅生門」がベネチア国際映画祭でグランプリを獲得、日本映画が世界から注目される先駆けとなった。
そして「7人の侍」・・・その娯楽性、今で言うエンターチメントは完璧ともいえるくらいである。マカロニウェスタン「さすらいのガンマン」。アメリカウェスタン「荒野の7人」。ともなって世界中を駆け巡った。

「酔いどれ天使」の医師(志村喬)のせりふ「仁義なんてえのは悪党同士の保障条約だ」。そのラストシーンの卒業証書。
「生きる」のブランコでの”命短し恋せよ乙女”。そのラストシーンのバースデイソング。
この、黒沢監督の初期作品で激しく燃え上がっていた、社会と人間を追及したシリアスな作風は、「7人の侍」あたりから変わってきたようである。いや、がらりと変わったと言えるだろう。

今は昔、映画科の学生だった頃、市川昆先生の講義を受けた時「映画とは?」という質問に、先生は「娯楽である」と答えられたのを覚えている。
映画とは「社会と人間を啓蒙し文化を培う芸術である」というようなお答えを期待していた若い学生にとっては、甚だ不本意なお答えだったのを覚えている。

木村千依夫先生のシナリオの講義では、「どんなドラマの展開であっても最後には”救い”がなければならない」といわれていたのを覚えている。

「7人の侍」は面白かった。
「娯楽」・・・「救い」・・・完璧なまでに込められていた。そしてまた、その中にひそやかに埋め込んだ真摯な人間や社会への目線。
黒沢監督は歳を経て、心象を秘めながら、より円熟した映像表現を求めて進化していったのだ。

私も、歳を経て、なんて比較にもならないが・・・、「7人の孫」を得て、たそがれの時代となってようやく分かるようになった。
楽しく笑って過ごそうじゃないか。真摯な目線を持ちながら・・・自信なんかないけれど。

映画:「よく分からなくても素晴らしい芸術作品というのはあるかもしれない。でも、観客が笑わないけれども素晴らしい喜劇というのはない。・・・僕にとっては、映画賞を頂くことは、失礼だけど、それほど有り難味はない。満員の観客の中で笑い声を聞くと言うのが、何よりも大きなご褒美でした」・・・・山田洋次監督。

「笑い」の難しさ。大切さ・・・・。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、である。
我輩も黒澤明監督作品は大好きである。
「夢」「ドデスカデン」・・・
最近の邦画も結構面白いが
魂を揺さぶるほどのものは少ないのである。
黒澤明監督作品の多くはDVD化されている為
パソコンで見れるのは有り難い事である。

投稿: オジさん | 2007年3月11日 (日) 17時15分

拙ブログへのコメント、ありがとうございました。いつも丁重なご意見嬉しく思います。
 総体的な把握力がなく、取り留めなく綴るくせがついついで、自身、読み辛いものになるのを、いつも感じております。歳のせいでしょうか。

小高さんの“「7人の孫」・・”とても羨ましく拝読しました。私にはこの歳でまだ、「おじいちゃん」と呼んでくれる孫がいません。男の1人っ子、37歳がまだ結婚をしません。私自身、35歳まで独り身だったため、時が来るのを待つのみです。

黒沢の「7人の侍」、「生きる」と並んでの双璧ですね。映画館で感動し、テレビで感動し、待ちに待ったレーザーディスクで繰り返し眺めています。やはり映画の本質は啓蒙じゃなく、娯楽ですね。

長くなりすぎると嫌われます、もう1度、コメントに感謝です。

投稿: 「世相」の小言こうべい | 2007年3月13日 (火) 10時27分

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